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12月18日 アップデート実施予定
そこで今回は、オンラインゲーム開発部門であるソフトウェア3部の部長を務める藤重和博氏と、開発プロデューサーから運営プロデューサーへ業務を移した上野彰三氏に取材をお願いし、アップデート内容の詳細と新体制でスタートした「三國志 Online」の開発状況を伺った。
■ シンガポールから日本へ。新体制でスタートした「三國志 Online」
藤重和博氏 : 開発段階からサービスが始まったら、どこかのタイミングで日本に開発を移したほうがいいだろうとは考えていたんです。日本でサービス(運営)をするゲームなので、サービスが開始されたら市場の中(日本)で開発も一緒に行なうほうが、運営ともより連携が取れるだろうし、ユーザーともコミュニケーションしやすいはずですからね。 とはいえ、オンラインゲームとしてお客様にサービスを提供している以上、サービスに支障をきたしてはいけませんし、そういった意味では開発はゲーム全体(運営も含む)の中枢なだけに、どのタイミングでシンガポールから日本にシフトさせるのがベストなのか、その見極めには本当に苦労しましたね。実際には9月の中旬ぐらいから段階的に日本へ開発を移してきていて、今は完全に開発を日本にシフトできています。順調に開発も進んでいますし、いいタイミングでシンガポールから日本へ開発環境をシフトできたと感じています。 ――日本での開発スタッフの規模はどのくらいでしょうか? 藤重氏 : シンガポールの時よりも大きくなりましたね。基本的にシンガポールで開発に携わっていた日本人スタッフと、シンガポールのローカルスタッフのメンバーがごっそりこちらに移っています。さらに人は足していて、開発については強化しています。安心してください。 ――上野さんが運営プロデューサーになったので、開発プロデューサーにもお話を聞きたかったのですが、本日は同席していただけませんでした。せめてどなたなのか教えていただけませんか? 藤重氏 : 隠しているわけではなく、タイミングの問題なんです。「三國志 Online」については今後、いろいろな発表を予定しているので、開発プロデューサーについても、それらの発表と合わせて華々しく皆さんにご紹介したいと考えています。
上野彰三氏 : 決してスタッフロールを作り直すのが大変だから隠しているわけではないですよ(笑)。
■ 新合戦場「湿地」が実装! 「水郷決戦史」の内容とは?
――次に、先日発表された「三國志 Online」の長期計画について順番にお聞きします。まずは今月18日に実装される「水郷決戦史」のアップデート内容について教えてください。
藤重氏 : 今後の大型アップデートは、プレイの幅が広がるもの、という定義付けでユーザーの皆さんにご提供していきたいと考えています。そういった意味でも、今回の新合戦場「湿地」は、ただ合戦の新マップを追加するのではなく、合戦場にギミックを実装することで、新たな戦い方が要求され、従来とは全く異なったものが生まれてくると思います。プレイの幅が広がるという意味では、適切なコンテンツになったと自負していますし、ユーザーの皆さんが満足していただけると期待をもって提供します。 ――具体的にどんなギミックが実装されていますか? 湿地ですから泥濘としたイメージがありますが、足場が悪くて移動速度が遅くなるとか? 上野氏 : ご想像のとおりです(笑)。「三國志 Online」にとって移動速度は非常に重要ですよね。それだけに従来の合戦場にはない戦い方が要求されるフィールドに仕上がっていると思います。 藤重氏 : 移動速度の影響は受けるポイントと受けないポイントがあるので、そういった地形を利用した戦略性の高い戦闘を行なうことができるのが新合戦場の魅力だと考えています。特色のある合戦場を追加することで、プレイの幅が広がり、新しい戦い方がユーザー間でどんどん構築されていくのではないかと期待しています。 ――移動速度のお話が出ましたが、前回のアップデートで合戦や軍略での移動速度の修正が入りました。移動速度を下げたのはなぜですか? 上野氏 : 移動速度を下げたのではなく、それまでが上がりすぎていたので適正に調整しました。 藤重氏 : 意図せずスピードが上がっていたというのが正直なところで、大型アップデートも控え、まずはそこをきちんと適正に調整しないと他の様々な部分でバランスがとれなくなってしまうので、調整させてもらいました。 上野氏 : 移動速度については通信の問題もあって、100人レベルでは問題ないとしても、1,000人規模の戦闘となったときにサーバーや回線など総合的に検証して導き出された移動速度なんです。それが図らずも上がってしまっていたことで、いろんな部分に影響が出てきてしまい、今後のバージョンアップで地形効果などを追加していく際にいろんな不具合が出てしまうので、前回のタイミングで調整させてもらいました。 ――移動速度が上がりすぎていたというのは、「俊足・改」や「疾駆」の効果が高すぎたということですか? それともデフォルトの移動速度が速かったのですか? 上野氏 : デフォルトの状態です。つまり全員が速すぎる状態だったのです。とはいえ足が遅くなることはマイナスではなく、活きてくることも沢山あると思うんです。例えば使用する技能にも変化が出てくると思いますし、戦い方も変わってくるでしょう。これを機会に新たなプレイスタイルをユーザーの皆さんには確立してもらいたいという期待もあります。 ――技能や攻城兵器に関する調整もあるそうですが、「呪詛散布」のように下方調整されるものが多いのでしょうか? 上野氏 : 各技能の調整については、今回は全体的にはプラスの方向となるので安心してください。スポットがあまり当たっていない技能についてもしっかりと調整していきます。逆に戦闘で使いたいと思う技能が増え、どの技能をセットするか悩む場面があるかもしれません。 「呪詛散布」に関しては、その強さもそうですが、元々我々が考えていたスタイルと実際の使われ方(練丹のみの徒党や連合でドドッと「呪詛散布」を撒く)が、あまりにもかけ離れた結果になっていたので、そこはちょっと威力を抑えようと。ただ弱体とはいっても、ターゲットにデバフが大量についている状態で使う場合には相変わらず強力です。練丹は「呪詛散布」の1択ではなく、いろんな技能を使って戦ってもらいたい。そんな思いからの調整と考えてください。 藤重氏 : いろんな技能や能力系統を使うことの面白さを提供したいと思っていた中で、1つの能力系統(練丹)、そして1つの技能(呪詛散布)にフォーカスが当たりすぎてしまったのが実情で、長い目で見るとお客様にとってもこの状況はあまり得策ではないと思ったんです。選択するジョブや技能が単調化してしまうことで、ユーザーの皆さんの飽きも早くなってしまうでしょう。よくも悪くも、フィールド内で自由にジョブを変えられるという特徴が、逆にこういったスタイルを生み出したともいえるのですが、開発としては本来もっと沢山の遊び方があってそれを探索してほしいという気持ちから、「呪詛散布」については弱体する方向での調整をしたといった感じですね。 上野氏 : 技能の調整については、これで終わりというわけではなく、今後もユーザーの皆さんの意見はもちろん、実際に合戦などでのプレイスタイルを見たりしながら随時調整していくつもりです。イベントの開催だけでなく、こういったことも運営プロデューサーとしてメインとなる仕事でもありますからね。 藤重氏 : 上野は開発プロデューサーとしてゲームを作ったあとは、ユーザーの代弁者となって開発に力強く意見していきたいという野望を抱いていましたしね。 上野氏 : 開発メンバーからは、「人が変わりましたね」って言われています。そりゃ立場が変わったんだから言うことも変わりますよね(笑)。 ――技能については調整のみで、新技能の実装はなしですか? 上野氏 : そうですね。今回は新技能の追加はありません。 ――攻城兵器にはどんな調整が入るのですか? 上野氏 : 威力も上がるのですが、それよりも兵器ごとの特色が出ているというほうがピッタリきます。今現在、合戦における戦い方がかなり熟練されてきているので、兵器を使うよりも連合を組んで戦闘をするケースが大半を占めていると思うんです。そこに対して、今度は兵器を使いたくなるような選択肢を増やしていきたいと考えているので、基本的にプラスの方向性での調整ととらえてもらってかまいません。 ――兵器で敵を倒したくなるような付加価値があると、さらに使い手が増しそうですよね。 上野氏 : 兵器での成果ランキングのようなものの導入ですか? 合戦の個人評価については見る項目が増えたらいいなと常々考えていましたし、兵器に関連する項目の導入は前向きに検討してみる価値がありそうですね。さっそく開発に提案してみます。 ――新しい罠が追加されるそうですが、どんな罠なのか教えてください。 上野氏 : 新しく追加される罠は2種類です。罠に関しては「湿地」だけではなく、全ての合戦場で導入します。罠の効果ですが、1つは気力に大ダメージを与える「奪気の罠」です。この罠にかかると気力が0になり、さらに気力減少(DoT)の追加効果も受けてしまいます。戦局をがらりと変えてしまうほど強力ですよ。2つ目は「爆裂の罠」で、技能を中断させた上で相手を吹き飛ばす罠になります。こちらも仕掛ける場所によっては、相当に嫌らしい効果を発揮するのではないでしょうか。 ――罠に対する意識を変える必要がありますね。常に警戒心を持ってプレイするか、あるいは敵陣へ攻め込む際には罠をチェックするための人柱的な部隊が出てきてもおかしくなさそうです。 上野氏 : そうですね。これらの罠により伏兵なども生きてくると思いますし、新しい戦い方やそして戦略が生まれてくると思いますよ。 ――食糧や薬など所持するアイテムにも変化がありそうですし、「水郷決戦史」の実装を機に、合戦が大きく変わることは間違いなさそうですね。 藤重氏 : 先ほどもお話ししたように、単純に新要素を追加して終わりではなく、新たな要素を追加したことで、そこからまた新しい遊び方やプレイスタイルの選択肢が広がっていくことがアップデートの理想形だと考えています。そういった意味でも今回のアップデートは、ユーザーの皆さんにも満足していただけると考えています。
上野氏 : 年末年始はイベント合戦に参加していただいて、ここで新合戦場「湿地」の攻略はもちろんですが、新しい罠に対する戦い方を見いだしていただいて、三国制覇第二節の後半戦に活かしてもらいたいですね。
■ 収納箱に部曲砦専用家具の追加、UIの改良にカメラ制御まで充実のアップデート
上野氏 : 以前からアイテムの収納数が足りないという要望は多くのユーザーの方から頂いていたので、そこを少しでも改善するため、特定種類のアイテムを収納できる箱(アイテム)を追加しました。1つのスロットに5,000個×10スロット入る箱です。これまで銭荘で素材が5,000個×10スロット占領していたのが、この収納箱を用いることで1スロットに収まるというわけです。入手経路は合戦の報奨品として提供していきます。 ――合戦の報奨品ですか! 「湿地」も実装されますし、これは合戦がますます盛り上がりそうですね。 上野氏 : 「湿地」での合戦を堪能していただくとともに、収納箱の入手を目指して頑張ってみてください。 ――部曲砦専用家具はどんなアイテムが追加されるのでしょうか? 上野氏 : 「三國志 Online」としては初となるギミック付きの家具として、BGMが鳴る家具を追加します。具体的にどんな家具で何種類あるのか、というお話は残念ながらこの場ではできないのですが、砦内に設置することで部曲砦内の音楽を変えられる家具になります。 ――それはユニークでいいですね。やはりかなり高額なのでしょうか?
上野氏 : どういった入手方法にするかは、絶賛会議中なんですよ(笑)。最後の最後まで、どうなるかわからない状況です。他の部分と同様に最終調整のフェイズにきてはいますが、作業的に大きな要素ではないので、ギリギリまで粘ってベストな実装をしたいと考えています。
上野氏 : もちろんです。レベル20ぐらいからレベル40後半まで幅広いレベル帯での依頼を20個くらい用意しています。依頼の内容も三国志の世界観を感じられるものが多いので、三国志ファンの方は楽しみにしていてほしいですね、 藤重氏 : 各所属勢力の拠点(許昌・建業・成都)をベースにした依頼が多く、諸葛亮から依頼されるものは内容も諸葛亮のエピソードにちなんだものだったりと、三国志ファンなら思わず顔がにやけてしまうような内容の依頼が多いのが特徴ですね。 上野氏 : もちろんクエストですから、三国志を知らない方でもクエストとして楽しめる設計になっていますので安心してください。 ――三国志の世界観を感じることができる依頼が多いのは、息抜き的な感覚で楽しめそうですね。ほかに今回のバージョンアップで何か追加されていたり、変化する部分はありますか? 上野氏 : 軍団値のバランス、客将の来訪確率なども調整していますし、細かいところはたくさんありますね。UIだけでも全部お話しすると3時間くらいかかりますよ(笑)。 大きく変わったところですと、カメラ制御ですね。今後も使い勝手をよくしていきたいと考えていて、その第1弾として自分の姿を映らないようにする機能を付けました。三国志をプレイする際、自身のキャラクタの背後の視点(TPS系の視点)でプレイされている方が多いと思うのですが、写真を撮るときに自分のキャラクタの背中が映っているのが邪魔に思えることがありますよね。カメラを引いて自分が映らないように写真を撮るのは結構面倒ですし。そこで、写真を撮りたい場所に自分のキャラを移動させれば、その場のシーンだけが撮影できる機能を設けたというわけです。 ――ブログを作っている方などには朗報ですね。 上野氏 : 「三國志 Online」のブログに掲載されている写真はとても綺麗なものが多いので、カメラの使い勝手がさらによくなれば、もっといい絵を撮ってもらえるだろうと思ったのが、改良するきっかけでもあるんですよ。
藤重氏 : これは遊びとは直接関係ないかもしれませんが、ユーザーの方が便利になる、ゲーム全体としてよくなることであれば、できるところは改善していこうと思っています。
――ミニマップに依頼に関係するNPCの位置が表示されればかなり便利ですね。
藤重氏 : 依頼関係のNPC以外にも、例えば成都で街側に出ている武将も同じようにミニマップ上に表示されるようになりました。街を徘徊する武将を全員探すのが意外と大変で、結局見かけた武将としか話をしていないという方も多いと思うんです。今回のアップデートで、周囲にいる武将の位置をミニマップで簡単に確認できるようになりますから、これまで以上に武将と会話するチャンスが増えると思いますよ。
■ 今後のアップデートの内容と開発ロードマップ ――では次に先日公開された、開発ロードマップ(長期計画)についてお話を聞かせてください。 上野氏 : まず直近にあるのが、「水郷決戦史」の実装に合わせたイベント「冬の大火力戦」を予定しています。これが「湿地」の初お披露目になります。「湿地」を堪能していただくと同時に、強化・改良された攻城兵器も体感していただきたいと考えています。兵器の火力のすごさを楽しむのか、それとも華々しく散るのかはわかりませんが、皆さんが楽しんでもらえるようなイベントにしたいと考えています。 藤重氏 : イベントでは合戦の3陣全てが「湿地」となりますので、仲間と戦い方を話し合うには絶好のチャンスだと思いますよ。 上野氏 : 「冬の大火力戦」のあとは、大晦日から元旦にかけて「GM登場Liveイベント」を開催します。 藤重氏 : 弊社のオンラインゲームでは、年越しイベントは恒例行事になっているので、初めて年越しを迎える「三國志 Online」でも例にもれず開催します。内容的にはゲームマスター(GM)がゲーム内に登場して、プレーヤーの皆さんに新年のご挨拶をするイベントで、特別アイテムの配布なども予定しています。 ――具体的にどんなアイテムが貰えるのですか? 上野氏 : 「信長の野望 Online」では毎年、年越し蕎麦を配っているのですが、「さすがに蕎麦は……」、「でも、運営は日本でやってるんだから蕎麦もあり?」といろいろな声があり、何にしようか真剣に悩みましたね。
藤重氏 : 何が貰えるかは当日までのお楽しみということで(笑)。
上野氏 : そうですね。基本的な内容は「十星 ~魏・三曹編~」のストーリーの続きですね。 ――またイナゴ狩りですか?(笑) 上野氏 : 時期的にイナゴはないですね(笑)。 ――今回もパブリックダンジョンを用いたイベントになるのですか? 上野氏 : 「十星 ~魏・三曹編~」で、あえてプライベートダンジョンではなくパブリックダンジョンを使ったのは、MMORPGならではの多くのユーザーと楽しむワイワイガヤガヤ感を出したかったからです。MMORPGでは3年ぐらい前から、MOBの奪い合いが発生しないようにとプライベートダンジョンがトレンドになってきていたのですが、プライベートダンジョンで開催すると、決まった仲間としか遊ばなくなってしまうので、新しいつながりができない気がしています。幸い「三國志 Online」には、パブリックとプライベートの両方があるので、MMORPGが本来持つ、多くのユーザーが集う場で仲間を募りワイワイ楽しめるような、一種のお祭りのような感覚でプレイできるものにしたかったんです。 もちろんパブリックでやるからには注意しないといけないこともあります。レアアイテムのドロップを入れてしまうと、キャンパーなども発生するでしょうし、ユーザー同士の敵の取り合いで殺伐としてしまいます。全ての敵が同じアイテムをドロップするならそういった問題点は回避できますし、そのあたりを考えても今回のイベントは試みとしては成功だったかなと感じています。「十星 ~蜀・五虎編~」でも、同じようにお祭りムード全開のイベントにしようとは考えています。 ――最初はイナゴの強さに驚きました(笑)。 上野氏 : 高レベル帯を意識したイベントですから、アイテムを取りながら高レベル帯の方の経験値稼ぎにもなるよう、取得経験値も含め、敵の強さを調整したつもりです。先程も言いましたが、やはり高レベル帯の方も仲間とワイワイ楽しんでもらいたいという思いがこのイベントにはありましたから。 ――2月に実装予定の連続イベント「十星 ~呉・二喬編~」 も同じようなイベントになりそうですか? 上野氏 : まだ企画段階ですのではっきりとしたことをお話できませんが、魏と蜀に続く連続イベントではあるものの、呉のイベントに関しては皆でワイワイといったお祭りムードのイベントにはしないかもしれません。絶世の美女とされる二喬こと大喬と小喬の2人を中心に展開されるイベントに期待していてください。 藤重氏 : 二喬編は2月に行なうイベントですから、このタイミングでカッチリと内容を固めてしまうよりも、実際に「十星 ~魏・三曹編~」と「十星 ~蜀・五虎編~」をプレイしてくださったユーザーの方の意見も、しっかり反映させていきたいと考えています。イベントの詳細については、具体的な方向性が決まったところで、公式サイトなどでしっかりとアナウンスさせていただこうと考えています。 ――2月といえば、季節イベントも予定されていますよね。 上野氏 : 中華圏で盛大に祝われる祭事「春節」を季節イベントとして開催します。日本でいう旧正月にあたるわけですが、三国志の舞台でもある中国の「春節」を肌で感じてもらえるようなイベントにしたいと考えています。実際の中国では爆竹で大賑わいですが、「三國志 Online」の世界でも同じようなことが起こるかもしれません(笑)。 ――中国のお正月ということで、お年玉をもらえたりしませんか? 欲しい技能を1つ貰えるとか。 上野氏 : お年玉、面白いですね(笑)。考えておきます。 ――そして3月で1周年を迎えるわけですが、ここで大型アップデートを予定されているようですね。 藤重氏 : お客様に新しくなった、すごくなったと感じていただけるような大きな規模で、何かを提供したいと考えています。そういう意味では大型のアップデートをして、さらに遊びの幅が広がるような形がベストであると考えています。 上野氏 : 正式サービス開始から1周年でもあるし、三国制覇の第二節が終わり第三節が始まる前のちょうどいい時期でもあるので、新しい要素をいろいろ追加してプレイの幅が広がるようにしていきたいですね。 ――エリア、ダンジョン、技能、軍略などの追加はあると考えていいでしょうか? 藤重氏 : 3月に予定している大型アップデートに関しては、現段階は大筋の方向性だけで、具体的な追加要素については未定です。まだ12月ですから、このタイミングで3月の大型アップデートの内容を確定してしまうのは時期尚早かと。まずは、12月18日に実装される「水郷決戦史」の様子を見て、さらには今後予定しているイベントなどのお客様の反応を踏まえた形でアップデート内容を決定したいと考えています。ですから3月の大型アップデートに関しては、ギリギリまで開発・調整していきます。 上野氏 : 軍略などについても、どのタイミングで実装するかはまだ未定ですが、軍略そのものの方向性として、レベル上げ重視のものと攻略性の高いもののどちらか一方に片寄ることのないよう、タイプの異なる軍略を、バランスなどを見ながら盛り込んでいくつもりです。 ――前回、上野さんにお話を伺った時に、牛魔王や騎馬隊による合戦など、開発として考えていながらも未実装のコンテンツが沢山あったと思います。これらのコンテンツの実装は3月ないしそれ以降での大型アップデートを予定しているのですか? 上野氏 : いえ、必ずしもそういうことではないですね。 藤重氏 : 先日発表した長期アップデートの内容は、あくまでも「最低限ここまではやりますよ!」というレベルのお話なんです。ですから、発表したアップデート内容以外、何もしないということではなく、常に遊びの幅は広げていきたいと考えています。プレイの幅が広がったシステムの中で、さらに遊べるコンテンツは常に追加していくつもりですし、これについては3カ月とか半年とかいう周期にこだわらず、できる限りスマートに適応していきたいと考えています。運営プロデューサーである上野から、お客様からこういうニーズがありましたと言われれば、じゃぁこの開発を優先させようといったことも当然ありえます。この辺りは緊急度や重要度に応じて対応していきたいと考えています。 ――衣服のレパートリーを増やすようなアップデートは、早急に欲しいと思っているユーザーは結構多いと思いますが、いかがでしょうか。 上野氏 : 衣服の種類については、もう少し増やしてもらう方向で、既に開発陣にアプローチしています。 藤重氏 : 弊社は「信長の野望 Online」、「真・三國無双 Online」、「大航海時代 Online」と、多数のオンラインゲームをサービスしていますので、コンテンツごとのコラボ服みたいなものは考えています。例えば「真・三國無双 Online」で登場する衣装を「三國志 Online」でも入手できるような期間限定イベントなども検討したいと思っています。 衣服だけに限らず、弊社の手がけるオンラインゲーム間で様々なコラボレーションも考えています。弊社ではオンラインゲームの開発スタッフが集う定例会があって、ここでは各タイトルごとに、「こんな要素を追加したことで、こんな反響があった。遊びの幅が広がるので、他のタイトルでも実装してみたらどうか」といったことが話し合われ、1つのタイトルのノウハウが他のタイトルにフィードバックされていきます。つまり「三國志 Online」のよさが、「信長の野望 Online」などにフィードバックされますし、またその逆もあります。お互いが相乗効果でレベルアップしていけるわけです。もちろんコラボレーションだけでなく合同キャンペーンなどの話もでていますし、今後、様々な形でユーザーの皆さんに楽しんでいただける企画を提案できると思います。 上野氏 : 先ほど藤重からも話がありましたが、長期計画はあくまでも計画です。「三國志 Online」は1年に2回のシーズンがあって、さらに1回のシーズンが前半戦・後半戦に分かれているので、基本的にシーズンの初め(春)と終わり(秋)に大きなアップデートがあって、シーズンの折り返しのところで中規模なアップデートがあるわけです。運営としては、開発が作るこの4つのポイントを軸に、これとは異なるタイミングで運営が作るアップデートを盛り込んでいければと考えています。今月は開発主導の大型アップデート、来月からは運営主導のアップデートというように両輪でまわしていくようなアップデートをイメージしています。 藤重氏 : 開発が日本にシフトし上野が運営に回った理由は、開発が手がけるアップデート、お客様のニーズを素早く取り入れる運営主導のアップデートというように、質の異なるアップデートの2本柱を実現するためなんです。これにより開発チームは遊びの幅を広げるための大型アップデートの開発に集中できますから、開発効率も上がり、大規模なシステムの投入などもスマートに実装できるようになるはずです。今後の大型アップデートは、お客様が変化を感じていただけるような充実したアップデート内容になると思いますよ。 ――ユーザーの意見を素早く聞いていただける運営サイドのアップデートというと……唐突ですが上野さん、中央を川で遮った大草原で両勢力が真正面から勝負できる合戦場を導入してください(笑)。 上野氏 : 私自身もその手の合戦場はかなり前から実装したいと言っているんですよ。平野のみの合戦場。私のイメージでは草原よりも、横山光輝さんの漫画の、荒地がずっと広がっているような状態の合戦場も欲しいと思っているんです。ただ平野の難しいところは、全部のキャラクタが見通せてしまうので、PCスペック的に厳しいのです。とはいえ、個人的にはやりたいし、実現したいとは思っています。 ――大型アップデート以外に、拡張パックの発売などは予定されていますか? 藤重氏 : もちろん必要なものだと考えてはいますが、時期はまだ未定です。まずは予定されているアップデートをしっかりと実装して、お客様にご満足いただきたいと考えています。 ――最後に読者の方にメッセージをお願いします。
藤重氏 : 開発チームは、新たな環境で「運営チームから届けられるお客様のご意見・ご要望に迅速に応え、よりよいものを提供する、そのためのベストをつくす」とメンバーのモチベーションがとても高いです。、この気持ちがお客様にしっかり伝わるような「三國志 Online」にしていきたいですね。また大型アップデートに限らず、宅配機能のような便利機能も状況を見ながら実装していく予定ですので、ぜひ期待していてください。
――ありがとうございました。
□コーエーのホームページ (2008年12月16日) [Reported by 平井信幸 / Photo by 石田賀津男]
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